九州美食研究ブログ

九州地方の郷土料理を食べ歩いたり、調理、研究して紹介するブログです!福岡を中心としたグルメの食べ歩き記録の記事も載せていますので、そちらも是非!

博多の鶏料理 「水炊き」と「かしわ飯」

今回は博多の郷土料理「水炊き」と「かしわ飯」を作っていきたいと思います!

 

~「水炊き」とは?~

関西にも水炊きはあるようですが、今回は博多で長年親しまれてきた水炊きです。

鶏のぶつ切りなどで出汁をとり、野菜や鳥団子などを煮てポン酢で食べるという料理です。現在の博多にある水炊きのお店ではスープに白濁系と澄み系があります。

水月」「水たき 長野」「博多水炊き華味鶏」など、博多や中洲、天神には多くの専門店があり、連日の賑わいを見せています。

 

~「水炊き」の歴史~

元々は家庭でのおもてなし料理らしいのですが、水炊きの発祥を検索すると1905年創業の「水月」さんが出てきます。創業者の林田平三郎が西洋料理の「コンソメ」と中華料理の「鶏を炊き込む」という西・中の”スープ料理”をなんとか日本風にアレンジできないものかということで、水炊きを生み出したとあります。

福岡の早良区の山奥では古くから鶏食の文化が色濃く残ります。私が保健所で衛星講習を受けている時には早良区の鶏の生食を危険視する話を聞くことがありました。(現在ではあまり生食はされていないようです)また、FBSの「頑張る君に花束を」という番組で早良区のとある地方では、お客様が来た時に飼っている鶏を一羽丸々使用しておもてなし料理を振る舞う文化が近年(20年ほど前)まであったことを示唆する内容が放映されていました。

福岡に関わらず九州では鶏の消費量が他の地方に比べて圧倒的です。これは鎖国の際に長崎から鶏の外来種が入ってきたことや、闘鶏文化からきているとありました。ともかく九州では一早く鶏食の文化が広まり、現在まで強く残っていることが分かります。

水炊きは家庭のおもてなし料理としての一面と、林田平八郎によるレストラン料理としての一面が、時代と共に混ざり合い現在に至ったのではないかと私は考えています。

※あくまで一考察ですので今後の研究課題とします※

※鶏を一羽振る舞う文化は佐賀や大分にも残っています※

 

~かしわ飯とは?~

かしわ飯とは鶏肉を野菜と炊き込んだ、炊き込みご飯の事です。福岡のうどん屋に行くとほぼ必ず置いてあり、セットメニューとしてもポピュラーですね。

「かしわ」とは鶏肉の事で、九州の方言だと思われている方もいますが、九州以外でも「かしわ」と呼び名が残っている地域があります。「かしわ」とは元々江戸時代の肉の隠語で植物の「柏」からきていると言われています。

同じような郷土料理が大分にもあり、こちらは「とりめし」と呼ばれています。明確な違いはないようですが、とりめしの方は吉野のとりめしと呼ばれ、保存会のレシピを見ると、具材は鶏肉とごぼうのみで炊き込みご飯ではなく炊き上がる直前に具材を混ぜ込む混ぜご飯であるようですね。食べ比べてみてもあまり味の違いは分かりませんでした。

※江戸時代の生類憐みの令によって肉食が禁忌とされた為、肉の隠語が生まれました※

※吉野のとりめしの吉野は屋号ではなく、地域のことです※

 

~かしわ飯の歴史~

かしわ飯も元々家庭のおもてなし料理で、大正時代からは駅弁としても人気を博してきたようです。今でもうどん屋やスーパーやデパートの総菜としても人気が高く、必ず置いてありますよね。駅弁では折尾駅の「かしわ飯」が有名ではないでしょうか。

 

 

~水炊きを作ってみよう~

水炊きのレシピを調べると色んなレシピが出てきますが、今回はシンプルに鶏の出汁のみで野菜と鶏団子を食べてみました。

それではレシピから

  1. 鶏の骨付きのぶつ切りを下茹でしてから、出汁が出るまで煮る。
  2. 出汁が出たら、野菜と鶏団子を煮てポン酢で食べる。

※鶏団子は鶏ミンチとネギのみじん切りと卵と片栗粉を適当に混ぜて団子状に※

これだけです!が、これが意外と大変です。

まず、綺麗に灰汁を取りながら3時間ほど弱火で煮ていきます。私は黄色い脂が浮かんでくるまで煮ます。これは骨の髄と思われますが、うま味が詰まっています。

昆布などを入れるとより味わい深くなりますが、今回は鶏の出汁と塩しか入れてませんが、十分に美味しくいただくことが出来ました。

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ぶつ切りと手羽先を入れています。ネギの青い部分で臭みを消します。

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ネギ、白菜、豆腐、鶏団子、キノコなどを投入。

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煮込まれてうま味が流出したぶつ切り、だけど美味い。

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手羽先。ぷりぷりで美味しい。

鶏団子や野菜の写真は上手く撮れなかったので割愛しました。

ポン酢に大根おろしを入れたらどうかなと思いましたが失敗でした。水炊きは繊細なスープなので、大根おろしを加えると味がぼやけてしまいました。

また、今回は白濁系のスープは大変そうなので避けましたが、十分美味しく出来ました。

注意点としては鶏は必ず国産のものを使って下さい。ブランド鶏などでもうま味の出方や臭みの有無が全然違います。

やはりシンプルで繊細な鍋なので、素材にはこだわっていきたいですね!

 

 

~かしわ飯を作ってみよう~

大分の吉野のとりめしのように炊き上がったご飯に具材とタレを混ぜ込むレシピもありましたが、タレだけは最初から炊き込む方が楽です。混ざりやすく炊き上がりの米の硬さも容易に調整できるからです。

というわけでレシピから

  1. 鶏もも肉としいたけ、ささがきごぼう、千切りにした油揚げを炒めた後、酒、みりん、醤油味付けします(ご飯に入れて炊き上げるので多めに調味料は加えます)
  2. 1.から具材を取り除き、残った調味料と研いだ米を一緒に炊く
  3. 炊き上がったら具材と米を混ぜ合わせる

 

難しいことはありませんが、味付けの仕上がりが想像しづらいので何度か試してみると良いと思います。

醤油:酒:みりん=2:1:1

私は米2.5合の場合 ↑の調味料を170mlくらい加えて、炊飯器のメモリまで水を入れて炊いていますが、好みで調整した方が良いです。

※本だしや白だしなど加えるとよりお店っぽい味にまとまります※

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今回は水炊きの出汁も入れてみましたが、なくてよいです。

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炊き上がって混ぜました。

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お握りにして食べまして。美味しい。

~終わりに~

今回は「水炊き」と「かしわ飯」を作ってみました。

どちらもほっとする味で非常に美味しかったのですが、また色々レシピを変えて作ってみたいなとも感じましたね。

今後も作り続けてより美味しく、簡単に出来るレシピを探していこうと思います。また、今回調べていく中で、九州の鶏食の歴史にもまた不明な点がいくつか出てきたので、併せて調べていきたいと思います。